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2008年3月

声調

 タイ語は声調言語です。

 中国語の4声よりも一つ多い,5声。中国語の4つに,もう一つ加えたものかというと,そうではなく,中国語の声調とは微妙に異なるようです(中国語を知らないのでよくわからない)。

 5つというのは,平声,高声,低声,上声,下声。発音記号では,母音の上に符合をつけて表します。

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母音の位置

 タイ文字は,子音字に母音記号をつけて1音節を表します。

 英語のような音素文字では,文字は発音の順番に左から右へ書く。

 ハングルのような音素文字では,1文字の中に子音字母と母音字母がありますが,子音は上または左,母音は下または右につくという規則がある。そこへさらに子音がつく場合(閉音節)は,音節末の子音は下につきます。左→右,上→下という方向は一貫しています。

 タイ文字の場合はどうか。

 これが複雑なのです。

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子音字の順番

 文字には順番があります。(ホント?)

 ま,便宜的に順番をつけているといったほうがいいでしょうか。順番がないと辞書が作れないとか,何かと不便だからでしょう。

 英語だったらABCDEFG…。母音も子音もいっしょくたになった乱暴なものです。

 日本語のかなだったら,あいうえおかきくけこ…。各子音(行)ごとに,5つの母音(段)を組み合わせて作った整然たる50音表です。昔は,いろはにほへと…という芸術的な詩(かなが一度ずつ出てきて全体が意味のある文章になっている)がありました。

 ハングルの場合,カナダラマバサ,アジャチャカタパハという,子音の順番を覚えるためのもの(日本語のアカサタナ…に該当)と,アヤオヨおよウユうイ(「およ」は「オヨ」より口が狭い,「う」は「ウ」と「イ」の中間)という母音の順番を覚えるためのものがあります。
 いずれも意味はなく,お経のように丸暗記します。

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タイ文字の種類

 タイ文字は全部でいくつあるか?

 
難しい質問です。文字の定義によるでしょう。

 まず,子音を表す文字(子音字)が42あります。かつては44あったらしいですが,2字が廃字となったそうです。
 タイ語の子音(音声)は21種類ですから,文字はその2倍あることになります。ちょうど2倍なので,一つの子音に2つの子音字かな,と思うとさにあらず。ある子音には一つの文字しかない反面,同じ子音に6つの文字があったりします。

 とりあえず羅列してみると…

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タイ文字の形

こんにちは(かな)

How are you
(アルファベット)

Добрый день.
(キリル文字 ドーブルィーディエーニ)

안녕하십니까?
(ハングル アンニョンハシムニッカ)

สวัสดีครับสวัสดีค่ะ(タイ語 サワッディークラップ/サワッディーカ)

御機嫌如何? (漢字。中国語ではありません,念のため)

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表音文字・表音節文字・表語文字

 再び「島」より引用します。

 その言語学者は文字の数から直ちにこの文字がアルファベットであることを読み取った。(文字の数というものはアルファベット,すなわち,一音一文字のシステムの場合が一番少なく,音節文字ではそれが増え,表語文字では飛躍的に増えるものである)。…かつて表語文字からアルファベットへと進んだ人類の言語が,この言語では,再びアルファベットから表語文字へと回復しようとする傾向があることに気がついた。

 この文章で,アルファベットは「一音一文字のシステム」と定義されています。

 表音文字の中でも,「音素文字」と言いかえることができるかもしれません。ヨーロッパの主要言語や,キリル文字をつかうロシア語がこれに属するでしょう。英語のアルファベットは26文字。

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島(解説編)

 著者千野栄一は,チェコ語を専門とする言語学者。数年前に亡くなられました。名エッセイストとしても有名で,言語学エッセイをたくさん書いています。「島」もその一つ。
 言語学者の書いたものであるため,専門知識がないと正確には理解できない。私も全部理解できたとはいえません。

 野暮を承知でちょっと解説をすると…。

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 一人の言語学者がとある島へふらりとやってきた。北海の風雨の荒れ狂う,どんよりとした島で,何日かたつとその言語学者は島の住人との接触に成功した。

 もちろんこの学者は島の住民の言語を調べ始めた。やがて調査が進むにつれてこの島の言語がかなり面白いものであることに気がつき,言語学者はこみあげてくる興奮を押さえることができなかった。とはいえ,その言語は見かけの上では目に立つような特徴があるわけではなく,母音の数は10ほど,子音の数も20から30の間と,どちらかといえばごく平均的な言語で,強いて珍しい音と言えば,舌尖あるいは舌端が上の前歯の裏に近づくか,軽く触れて巾の広い狭めを作り,左右の舌縁は奥歯などに密着して空気が横にもれないようにし,口むろのみを通して送られてくる呼気が舌尖付近を通るときに生ずる摩擦音があり,それが有声と無声の対立をなすペアーを持っていることぐらいであった。

 音の次に文法の調査にとりかかったが,ここでも特にとり上げるべきものはなかった。名詞には性がないのに数があり,動詞はある一つの動詞が八つの変化形を持つのがもっとも数が多く,基本的な動詞には変化形が五つしかなく,あるmodalな動詞にはたった一つの語形変化しかなかった。目につく特徴といえばこんなことぐらいであった。

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声調言語

 タイ語の音節数は数千に及ぶ。

 それだけではない。この膨大な音節の一つ一つに「声調」があるのです。

 私は,いわゆる「声調言語」を学ぶのが初めてなので,声調のなんたるかが,いま一つよくわからないのですが,どうも音節内における音の上がり下がりのことらしい。その点,日本語の上がり下がり,つまり「高低アクセント」とは違うもののようです。

 日本語の場合,は一文字目と二文字目の音の高さが違う(ただし東京と大阪では逆)。は単独では橋と同じですが,次に助詞の「が」が続くと,「端が」の「が」は高く,「橋が」の「が」は低くなる。

 ま,こういった「高低アクセント」があるわけです。

 ところが「声調」というのは,このような音節の相対的な高さの違いではなく,音節固有の抑揚を言うようです。


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タイ語の音節数

 ではタイ語はどうか。

 タイ語は英語や韓国語と同じように,閉音節をもちます。音節の基本構造は(子)母(子)。

 最初の子音は二重子音もあるけれどそれほど数は多くない。また末子音が二重子音になることはないらしい。

 つまり,タイ語の音節構造は(子子)母(子)となります。

 音節の最初に来ることのできる単子音と二重子音の和に,母音,そして末子音の種類を掛け合わせれば,タイ語の音節の理論値がでます。

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英語と韓国語の音節数

 英語の音節の数はいくつか。

 これがよくわからない。

ある学者は8万以上といい,最低でも3万はあるらしい。要は,「数えきれないほど多い」のだそうです。

 日本語はたった112なのに,英語はなんでこんな途方もない数が出てくるのか。

 ここで,韓国語を見てみましょう。

 韓国語の子音の数は日本語より多く,18種類。日本語にはない,有気音(激音)や無気音(濃音)があるためです。

 そして,母音は半母音も含めて20種類。日本語の倍以上です。

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日本語の音節数

 さて,日本語の音節(拍)の数は,世界の言語のなかでかなり少ないらしい。

 日本語の音節は,基本的に子音+母音の組み合わせで構成されます。つまり,日本語のなかに現れる子音と母音を掛け算すれば,音節の種類をおおざっぱに算出できます。

 日本語の子音は何種類か。これは五十音図の「行」に表されます。

あかさたなはまやらわ

 ただし,このうち「あ行」は母音で,「や行」「わ行」は半母音です。

 また,「かさたは行」には,濁点や半濁点がついて別の行を構成する。

 したがって,日本語の子音は,

か(k),が(g),さ(s),ざ(z),た(t),だ(d)
な(n),は(h),ば(b),ぱ(p),ま(m),ら(r)
の12。

 これ以外にも,さ行の「し(sh)」や,た行の「つ(ts)」,は行の「ふ(fに近い音)」などのような例外的な子音もあります。

 いっぽう,母音は「あ,い,う,え,お」の基本5母音に,半母音の「や(ya),ゆ(yu),よ(yo)を入れて,8種類。

 音節数は,母音のみで構成される「あ行」を加えた13×8で,104。

 そのほかに,「わ(wa)」や,「ん」,その他外来語にだけ現れる特殊な音節を加えるなどして正確に数えると,112種類になるそうです(金田一春彦『日本語』岩波新書による)。

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音節と拍

 まず,日本語の発音についてみてみましょう。

 言語の音の単位は「音節」です。日本語では,「拍」とも呼ばれているようです。

 一つの音節は,子音と母音の組み合わせによって構成されます。子音だけでは発声できないし,母音しか持たない言語というものは,今のところ発見されていないとのことです。

 さて,日本語を構成する音節(拍)にはどのような特徴があるのでしょうか。

 どうも,日本語の拍の概念は,外国人にとって理解しにくいようです。

だるまさんがころんだ,という遊びがありますね。地方によっては,

ぼんさんがへをこいた,とか

インデアンのまるやき,とか

インドじんのくろんぼ,とか

はなはだ差別的なバリエーションもあるようですが,共通しているのは,どれも10文字で構成されている点。

 そして,この10文字は,日本人にとって「10拍」と認識されています。つまり,かくれんぼなどで10を数えるかわりになっているのですね。

 ところが,この中で,「ん」を一拍と勘定するのが,外国人には理解できないらしい。普通の「音節」の定義によれば,「さん(san)」や「ろん(ron)」は,ひらがなでは2文字だけれども,音声的には1音節です。
 でも日本人は,「だ・る・ま・さ・ん・が…」というふうに,「ん」も一つの音節として勘定します。

 この例には出てきませんが,日本語では,つまる音(促音)「っ」も一拍と数える。これも,外国人には理解不能。

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ある言語が難しいとは

 この世に,易しい言語,難しい言語という区別があるのでしょうか。

 日本人にとっていかにも難しそうに見えるロシア語。でもロシアの子どもたちは,いとも簡単にこの言語を操っています。ロシア人は,だれも難しいなんて感じていないでしょう。

 逆に欧米人にとって,漢字だらけの中国語や,ひらがな,カタカナ,漢字が入り交じった日本語は,悪魔の言葉に見えるらしい。でも日本人にとって,日本語はもっとも易しい言語です。

 前に紹介した言語難易度リストは,その人自身が何を母国語にするかによって,言語の難しさ,易しさが違ってくることを示しています。

 日本語,中国語,韓国語はアメリカ人にとって,最難関。

 一方,日本人にとって中国語,韓国語はやさしい言語に分類されている。そして英語は,日本人にとって,ロシア語,アラビア語,ウルドゥ語などと並んで最難関とされる。

 つまり,言語の難易度には絶対的な基準があるわけではなく,あくまでも学習者の母語との隔たりによって決まってくるもののようです。

「隔たり」の基準としては,発音,文字,語彙,文法などが思い浮かびます。

 中国語と日本語の文法は大きく異なるが,「漢字」は日本人にとってなじみがあり,漢字語彙の共通性もある。
 いっぽう,韓国語のハングルは日本人になじみがないが,文法が瓜二つで,大量の漢字語彙を共有している。

 それで,日本人にとって韓国語,中国語は学びやすい言語なのでしょう。

 一方,タイ語は,アメリカ人にとっても,日本人にとっても難しいとされています。

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文字の壁

 これまでのアルファベット系以外にも,ロシア語や韓国語を学習しましたが,いつも勉強方法はほとんど同じでした。

 まず文字を覚え,単語を覚え,文章を読んで日本語に訳せるようになることを目指す。音声は,文法や語彙学習がある程度進んでから,おもむろに始める(けれども乗り気がしない)。

 韓国語の場合も,まずハングルを覚え,読解を学習し,文章はある程度読めるようになったが,聞く・話すはできないという状態で,韓国に駐在になりました。職場にいる韓国人は日本語が堪能なので,いきおい会話は日本語になってしまう。韓国に住みながら,会話力はなかなか上達しない。

 結局,会話の練習の場は飲み屋でした。

 でも,このように,「文字から入る」学習が自然かというとそうではない。
 言語の本質は音声にある。地球上の数千の言語の大半は「無文字」です。現在,文字のある大言語にしたところで,数万年の歴史の中で,その言語が文字をもったのはここ数百年か,数千年のレベル。子どもたちが言葉を習得するときも,文字が読めない段階でペラペラしゃべっている。

 そう考えると「まず文字を」という学習順序はむしろ不自然なのかもしれません。

 実際,韓国の飲み屋の女性(アガシ)の中には,かなり流暢に日本語は話すけれども,文章は読めないという人が多い。カラオケを歌っているときも,漢字の部分を飛ばしたりする。

 韓国で出会った日本人観光客にも同じような人がいました。片言で韓国語を話すのですが,ハングルはまったく読めないという。韓流(ハンリュウ)ブームで韓国ドラマにはまり,韓国語をドラマで覚えたのだそうです。

 そのほか,ビートルズの歌を全曲暗記していて,特別に勉強しなかったのにいきなりTOEICで高得点をあげた人とか…。

 そんな話は聞くのですが,歌やドラマが特別好きでない私には真似ができない。それで,タイ語の場合も文字から入ろうとしたのが,学習停滞の原因だったのかもしれません。

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私の外国語学習歴

 外国語を学ぶとき,自分の母語と比べながら学んでいくのが普通でしょう。

 私が初めて学んだ外国語は当然英語

 アルファベットは小学校で習っていたので文字に対する抵抗はありませんでした。
 でも,発音が難しかった。聞き取りもできないし,発音はもっとダメ。なぜ難しいのか,当時はわかりませんでしたが,今になって考えると,日本語と英語の音韻体系がまるで違うのが原因だったのでしょう。当時(30年以上前)は,まだウォークマンもなく,音声学習はしづらかったため,学習は「読み書き」中心でした。私の場合,会話にも音楽にもあまり興味がなかったから,リスニングや会話の勉強はせず,もっぱら読んでは訳す作業ばかりしていました。
 文法についてのとまどいも大きかった。冠詞だとか,be動詞の人称変化だとか,日本語にない概念が難しかった。
 それでもなんとか習得し,大学受験のころには,どちらかといえば得意科目になっていました。

 そして次に学んだのが大学の第二外国語として習ったフランス語

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