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英語と韓国語の音節数

 英語の音節の数はいくつか。

 これがよくわからない。

ある学者は8万以上といい,最低でも3万はあるらしい。要は,「数えきれないほど多い」のだそうです。

 日本語はたった112なのに,英語はなんでこんな途方もない数が出てくるのか。

 ここで,韓国語を見てみましょう。

 韓国語の子音の数は日本語より多く,18種類。日本語にはない,有気音(激音)や無気音(濃音)があるためです。

 そして,母音は半母音も含めて20種類。日本語の倍以上です。

 さきほどの掛け算で出た数字,380と,なぜこんなにくい違うのか。

 掛け算をすると

(18+1←母音だけの場合を考えて一つ多くする)×20=380。

 ところで,ハングルという韓国語特有の文字があります。

 この文字は子音と母音をそれぞれ組み合わせて1文字をつくるようになっていて,1文字が1音節を表す。

 ハングルの種類が何種類あるかというと,ハングル用ワープロで用意されているのは約2800字。ただ,この中には理論的にはありえても,実際には使わない字も含まれている。実際に小学校の教科書に出現するハングルの種類を数えてみると1500ほど。おそらく,約2000といったところでしょう。

 それは,韓国語には「閉音節」という日本語にはない音節があるからです。韓国語の音節の基本構造は,

子音+母音+子音

 子音がつかない場合もあるので,

(子)母(子)

と表せるでしょう。
 それに対して,日本語は音節末に子音がくることがないので,

(子)母

 ただ,韓国語の音節末の子音(終声,末子音,パッチム)の数は限定されていて,7種類。したがって,さきほどの掛け算は,

(18+1)×20×(7+1)=3040 
 ※(7+1)の1は,末子音がない場合です。

 実際には,先に書いたとおり,約2000の音節が存在します。

 英語の音節数が莫大な数字になるのも,閉音節(子音で終わる音節)があるためです。それだけではない。韓国語や日本語には,二重子音がありません。ところが英語には二重子音はおろか,三重,四重子音があります。

do(子母)

dog(子母子)

drug(子子母子)…

strengthsに至っては,子子子母子子子子! 

これで1音節なのだそうです。

 しかし,本当にs・t・rとか,ng・k・th・sなどという,三重,四重子音を,母音を挿入することなく子音だけ連続させて発音できるものでしょうか。私には信じられません。

 ともかく,英語の音節の種類が何万にも及ぶのは,こうした事情があるからです。

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コメント

good
いい情報ありがとうございます。
いま日本語の音節数について調べていますが、
いろいろ本当に役に立ちました。happy01

投稿: たまま | 2009年4月 6日 (月) 12時26分

たままさん

コメントありがとうございます。
お役に立ててうれしく思います。

ただ,私は言語学の専門家ではありませんので,このブログに書いていることは,ほとんどが「受け売り」です。

日本語の音節数の出典は金田一春彦ですので,大きな間違いはないでしょう。学者によってはきっと別の数字を挙げる人もいると思いますが。

投稿: 犬鍋 | 2009年4月12日 (日) 22時26分

>それに対して,日本語は音節末に子音がくることがないので

筆者様は日本語特有の発音法則「母音の無声化」というのをご存じでしょうか?
日本語は実質的に音節末に子音が来ることは別に珍しくありません

それに、母音の数なんてのも、数えようによっちゃいくらでも増やせます
日本語の基礎母音「あ、い、う、え、お」にはそれぞれ長母音と高低母音があり、それだけで15種類になります
更にアウやエイ等、増やそうものなら2重母音も増やせますしね
結局は何処までをその言語が求めるか、でしか無いんですよ
それは実際の発音とは全く別の物です

投稿: tita | 2013年6月19日 (水) 08時17分

titaさん

コメントありがとうございました。コメントをいただいたことに気づくのが遅くなりました。

母音の無声化というのは、「~です」の「す」とか、学生の「く」などの母音が無声音になることですね。
その場合、des(u)、gak(u)を閉音節とみなせるかもしれません。

ただ、(u)は消失したわけではなく無声化してわずかに音として聞こえるので、この解釈は難しいのではないかというのが私の考えです。

ただ、英語の音節末のsやkも無声母音を伴っているように聞こえるので、英語の閉音節を認めるなら日本語にも認めてもいいような気もします。

韓国語やタイ語、ミャンマー語などの音節末の子音は、無声化した母音もともなわないので、純粋に閉音節だと思いますが。

日本語に長母音があるのはご指摘のとおりですが、日本人はそれを二拍ととらえるので、短母音の連続としたほうがよいように思います。

日本語の高低アクセントを、母音の種類の違いとみる考え方はありうると思います。その場合、タイ語はに5つの声調がありますので、母音数は5倍にふくれあがります。

投稿: 犬鍋 | 2013年7月15日 (月) 21時28分

初めまして。MACHO筋トレと申します。

>それに対して,日本語は音節末に子音がくることがないので

上の方が上げておられる「無声化」だけでなく、日本語には「ん」と「っ」があります。
「ん」や「っ」は日本語でかなり高頻度で使われるため、これらを使わずに文章を書くことは難しいと思います。

「日本語」(ni/hon/go)や「閉音節」(hei/on/se/tsu)にも閉音節 hon や on が含まれています。

投稿: MACHO筋トレ | 2014年6月 8日 (日) 22時24分

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