末子音の発音
末子音とは音節末に来る子音のこと。
日本語はすべての音節が母音で終わる(開音節)ので末子音は存在しませんが,閉音節の言語,すなわち英語,韓国語,タイ語には末子音があります。
英語の場合,子音の数と同じだけ末子音の種類があります。
b,d,f,g,h,j,k,l,m,n,p,r,s,t,v,z,ng…。
さらに,それが複合してst,pl,ls,nt…など,二重末子音,さらには三重末子音なんていうのもある。
ところが,韓国語は末子音の種類が限られます。
k,t,p,l,n,m,ngの7種類だけです。
sがないのが意外です。
sを表す子音字(ハングル)が音節末に来るとt音になります。
韓国語には有気音/無気音の区別がありますが,有気音を表す子音が音節末に来ると無気化する。
ではタイ語はどうかというと,韓国語よりもさらに少ない。
sがtに変わるのは韓国語と同じ。
さらに韓国語にはあるlの末子音がありません。l,rの音価を持つ子音字が音節末に来るとnに変わるのです。
したがって,タイ語の末子音はk,t,p,n,m,ngの6種類。
なぜこのようなことが起こるのかをちょっと考えてみました。
どうも,末子音そのものが英語と韓国語・タイ語では違うようです。
英語の場合,末子音とはいえ,厳密にいうとかすかに母音がついているような気がする。それでdやgなどの有声音も,sやfなどの摩擦音も音節末で発音できるわけです。
一方,韓国語やタイ語では,末子音は文字通り子音だけ。その後に母音は来ないので,子音の口の形をしたところで終わる。
tやpの音が日本人の耳にきわめて聞き取りにくいのもそれが理由ではないでしょうか。
たとえばt音の場合,舌先を上顎につけた瞬間に終わる。英語の場合はそれをはじいてかすかな母音を発するので,tとdを発音しわけることができるわけです。
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