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七五三

 千野栄一の「外国語上達法」に,次のような趣旨のことが書いてあります。

 一つの言語を構成する語彙は膨大である。そのすべてを覚えるのは不可能であり,またその必要もない。米国人が,英語の大きな辞書に載っている言葉をすべて知っているかといえば,そうではない。まして,外国人がそれを目指すのはばかげている。

 一般的に,小説を楽しんで読むことができ,外国人と自由に会話ができ,手紙や論文が書けるようになるには,最低4000~5000語が必要である。辞書を引きながらテキストを読むという程度であれば,2000~3000語で足りる。

 大部分の言語で,あらゆるテキストの90%は3000語以内で書かれているそうだ。つまり,3000語を覚えれば,テキストの90%が理解できることになる。これは,言語によって多少の差があり,フランス語はそれより少ない語数で90%を超え,日本語や韓国語など,語彙数の多い言語で90%を超えるためには,3000よりはるかに多くの語彙が必要になる。

 また,最初の1000語でテキストの60~70%が理解できるので,外国語学習は1000語を当面の目標とし,最終的には3000語を目指せばいい。それで90%がカバーできるなら,残りの10%は辞書を引けばよいからだ。

 そして,最初の1000語の壁が超えられないとき,その言語の習得は挫折する。充分な語彙がないときにテキスト読解に挑戦し,絶えず辞書を引かなければならない勉強がいかに悲惨なものかは,多くの人が体験している。


 また,語彙の学習にメリハリをつけるため,きりのいい数字を目標とし,それを達成するごとに「お祝い」をするといい,と。

 当ブログの「語彙の学習」も,300語までこぎつけました。

 日本には七五三という祝いの行事があります。

 昔,まだ医療が発達していなかったころ,乳幼児死亡率が非常に高かった。

 まず,出産。出産は母子ともに命懸けで,死産や,生後まもない死亡が多かった。栄養状態が悪く,衛生もよくなかったので,幼児はちょっとした風邪や水あたりで命を落とした。

 3歳,5歳,7歳(数え年なので,それぞれ2,4,6歳)の祝いというのは,

「よくぞ生き延びた」

という祝いだったのだそうです。

 そして,7歳まできたら,「ここまで来れば大丈夫,大人になれる」,と。


 語彙の学習もそれに似ています。

 100語ぐらいまでは,勢いで覚えられる。

 それを300語にするには,ある程度の継続的な努力が必要である。

 500語レベルとなると,新規に覚えるだけでなく,覚えたものを忘れない努力も必要になってくる。

 700語まで行けば,1000語まであと300語。目標が見えた者の強みで,なんとかいけるでしょう。

 そして,どの言語でも,300,500,700の間に屍累々…。


 はてさて,当ブログが端午の節句を迎えられるかどうか。

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