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バンコク便り~辞書(2010年2月22日記)

 日本にはタイ語辞典にろくなものがない。「ろくなもの」というのは例文のある辞典のことです。

 私がもっているのは三省堂の『デイリー日タイ英・タイ日英辞典』と,大学書林の『簡約タイ語辞典』。前者は3カ国語なので便利ですが,単語集のレベルを出ていない。後者は,同じ出版社から出ている『タイ語辞典』(4万5000円)の簡約版。収録単語は前者よりは多いけれど,例文がない。で,その元になった『タイ語辞典』も,以前通っていた語学学校にあったのでめくってみましたが,これも例文はほとんどない。

 それで,今回の出張時に,例文の豊富なタイ語辞典があれば,一つ買っていこうかなと思ったのです。


 会社にあったのは,日本でいえば広辞苑のような大型本と,それより小さい中辞典。それに小学生用の辞典です。

 まず,大辞典は大きすぎて論外。次に中辞典を見ましたが,これはミニ百科事典を兼ねているようで,図版は豊富だが例文はない。小学生用の辞典は,辞典ではなく,教科書の虎の巻。小学校6年生の教科書に出てくる単語だけを,教科書の章立てにそってまとめてあるもので,辞典としては使えません。

「タイ人はあんまり辞書を引かないから」とタイ人。

 辞書を引くためには,単語の配列規則を覚えなければなりません。日本語なら「あいうえお順」,英語なら「ABC順」。ハングルの場合は,「カナダラ…」という子音の順序と「アヤオヨ…」という母音の順序を組み合わせて配列されています。これはタイ語も同じ。「コーカイ,コーカイ,コークワーイ,コーラカン…」という42個の子音の順序と,やはり40ぐらいある母音記号の順序を組み合わせる。

「実は私も子音と母音の順序を正確には言えないです。実際に辞書を開けば,順序はなんとなくわかりますけど…」とタイ人職員。

 タイ人でさえそうですから,外国人にとって,タイ語の辞典を引くのは至難といわなければなりますまい。

 辞書の発達度合いは,辞書を使う人の数に比例します。日本で,外国語辞書のなかで「英和」だけが異常に発達しているのは学習者が多いからです。

 タイには辞書を引く人の数が少ないらしいので,辞書の発達が阻害されているのでしょう。そして,日本にはタイ語学習者が極めて少ないうえに,学習者の大部分は文字の習得を最初から放棄しているので,辞書を引く人はさらに少ない。

 日本で発行されている辞書に多くを望むのは無理というものでしょう。

 そして,辞書の値段は使用者の数に反比例する。例文がなく,収録単語数もそれほど多くなく,判型も小さく,ページ数も650ページしかない辞書が1万円(!)もするのも,やむをえない。

 結局,タイで辞書を探すのはあきらめました。

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